プロジェクト研究
山梨のジオ情報を利活用した地域環境特性に関する研究~暮らしやすい安全安心なまちづくりのために~
- 研究代表者
- 内山 高(地球科学研究室)
- 共同研究者
- 山本真也(地球科学研究室)、都留文科大学
- 研究協力
- 大阪市立大学、福島大学、(独)防災科学技術研究所、山梨大学
- 研究協力者
- 笠井明穂(地球科学研究室)
- 研究期間
- 平成24年度~28年度
研究背景・ニーズ
東日本大震災では、沿岸部での甚大な津波被害以外にも、液状化被害、地すべり・斜面崩壊、ダム決壊等の地盤災害が発生した。またそれに伴い、汚染物質による地下水・土壌汚染も生じ、都市域および都市近郊や中山間地等様々な住環境に多大な被害をもたらした。その結果、暮らしやすい、安全・安心な生活をもとめる住民の意識も高まり、地質・地盤情報への関心、自然環境の保全に関する意識も格段に高くなっている。このような中、山梨県下では東海・東南海・南海の連動型地震や富士山噴火による被害が予想され、その切迫性もあるため、被害軽減の方策が急がれている。本県では高度経済成長期以降、人間の活動域が拡大したのに伴い、地震・火山噴火等の災害危険性や自然環境の悪化が増大している。これらは、自然環境特性に調和しない土地利用を進行させてきたことにも一因がある。また、災害が発生した場合、文化的、学術的資産等の損失も心配されるようになってきており、社会全般にわたる損失の防止も考慮する必要がある。したがって、人間活動の、自然と調和した将来的に持続可能な発展も考えると、ジオ情報の再資源化と利活用を積極的に進めることが必須である。また、地質地盤の性能評価が整備されることにより、新たなビジネスの開発可能性が高くなることも期待される。
研究目的
東日本大震災で見られるような地質・地盤災害を受け、東海地震等や富士山噴火で想起される災害を減じ、県民の安全・安心な暮らしや県土の適正な利用に資するために、地質地盤情報(ジオ情報)データベースを利用して、山梨県下各地域の地域環境特性について解析し、地域の環境特性(性質や価値)を生かした「将来像」(土地保全・適正利用のための基本指針)を描くための基礎資料を提供する。
研究計画
- ジオ情報の収集とデータベース化
- 各種データの収集とデータベース化
- 地域環境特性の解析
- 自然環境に関する情報の収集と分析
- 災害履歴調査、水文調査と解析
- 地域環境情報の高度化
- 山梨地域環境特性の情報の評価と公開
- 地域環境特性の評価方法と表現手法の検討
- 情報の開示、公開
期待される研究成果
- 地域の自然環境特性を体系的に評価することによって,その地域が持つ性質や価値を生かした「将来像」を設定するための基礎情報を提供する。
- 地震・火山噴火,地盤災害(斜面崩壊,液状化被害等)の減災対策に対する基礎資料を提供する。
→「暮らしやすい、安全、安心な社会」の構築に貢献する。