環境教育事業
富士山・火山写真展 
宝永火口・宝永山頂
1707年の宝永噴火でできた最大の火口(第一火口)の上部には,「岩脈」が,また,写真右側の宝永山頂の直下には「赤岩」が見られる.「岩脈」とは地表に出ようとしたマグマが冷え固まった板状の岩体であり,「赤岩」は噴火によって押し上げられた古富士火山の地層だと言われている.
撮影場所:水ヶ塚公園
提供者:佐藤永史郎
 
宝永第一火口【岩脈】
これらの岩脈は「十二薬師岩」と呼ばれている.宝永火口は富士山頂から南東方向に位置するが,反対側の北西方向とともに過去多くの割れ目噴火の現象が確認されている.南東-北西ゾーン(帯)は今後も噴火の可能性が高いところとして注目されている.
撮影場所:水ヶ塚公園
提供者:佐藤永史郎
 
宝永山頂【赤岩】
宝永噴火によって山体内部から押し上げられたと言われる「赤岩」は,宝永火口の大きさとともに,噴火の規模がいかに大きかったかを物語っている.16日間の噴火活動で0.7立方kmものマグマが噴出したのだが,この噴火によって,須走付近では火山礫(れき)が厚さ約2m,江戸では火山灰が数cm堆積した.
撮影場所:水ヶ塚公園
提供者:佐藤永史郎
 
小御岳火山【火口壁】
現在の小御岳の最高点(小御岳神社あたり)から北東方に一つの尾根が弓なりの弧を描いて連なっている.この東側の面(凹面)は小御岳火山馬蹄形火口の内壁の一部であり,尾根から最大比高250m下ると富士山体の緩斜面に接する.
撮影場所:忍野八海付近
提供者:渡辺芳子
 
泉ヶ滝不整合(1)
泉ヶ滝と呼ばれる付近に,小御岳火山の安山岩質溶岩が露出しているところがある.右上がりに見える層が小御岳火山のものであり,その上を左上がりに見える層が覆っているが,これが新富士火山の層である.連続性のないこのような関係を不整合という.
撮影場所:泉ヶ滝付近
提供者:教育スタッフ
 
泉ヶ滝不整合(2)
厚さ0.3〜1mの溶岩流と,その間に挟まる火砕物との互層が見られる.この層は南西方に傾斜しており,富士火山の溶岩類によって,明らかな不整合関係をもって覆われている.小御岳火山が富士火山とは別の火山体であることを物語っている.
撮影場所:泉ヶ滝付近
提供者:教育スタッフ
 
富士山には肩がある?
富士山の「肩」のように見えるところは,実は右(北側)が小御岳で,左(南側)が宝永山頂(赤岩)である.この富士の姿を求めて,多くの人々がこの地(撮影地)を訪れるが,もしも小御岳や宝永噴火がなかったら,この独特な容姿を目にすることはできなかったであろう.
撮影場所:パノラマ台
提供者:佐藤永史郎
 
剣丸尾溶岩流はどこから
雪のない時期,窪んだ箇所をはっきりと確認することができるが,これは今から約1,000年前に流出した剣丸尾溶岩流の火口と考えられている.「風穴流」と呼ばれるところあたりに剣丸尾第1溶岩流の,「小御岳流」と呼ばれるところ,牛ヶ窪あたりから下方に渡って剣丸尾第2溶岩流の火口と考えられている窪みがある.(ともに割れ目噴火)
撮影場所:道の駅なるさわ
提供者:佐藤永史郎
 
剣丸尾第2溶岩流【火口】
牛ヶ窪・小御岳流は,富士吉田市や河口湖周辺から雪のある時期にもはっきりと確認できる.(雪がその形跡をくっきりと浮かび上がらせる.)剣丸尾第2溶岩流は,環境科学研究所あたりまで流れた.
撮影場所:連絡橋
提供者:教育スタッフ
 
剣丸尾第1溶岩流【火口】
写真中央やや下に風穴流が確認できる.このあたりから剣丸尾第1溶岩流が流れ出し,現在の富士吉田市街を下り,富士小学校付近まで流れた.富士山の左側稜線に窪んだ箇所が見られるが,このあたりが牛ヶ窪(剣丸尾第2溶岩流火口)と考えられる.
撮影場所:スバルライン(風穴流下)
提供者:教育スタッフ
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