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『地球植物誌計画−人間と自然との共生をはかる−』
G・T・プランス著 岩槻邦男訳
紀伊國屋書店 1997 255P

 著者、プランスは英国キュー植物園の園長であり、長年、南米アマゾンの熱帯植物と住民たちの関わりについて、広い視野から研究を続けてきました。

 アマゾン川流域の熱帯雨林には、実に多様な植物が棲息しており、先住民達はこれらを食物・医薬品・建材などに用い、自然と共に暮らしてきました。

 しかし、近年樹木の伐採だけでなく、プランテーション、ダム建設などにより、熱帯雨林は急速に破壊され、環境への影響はこの地域にとどまらず、地球規模のものになっています。アマゾンから遠く離れている日本も、大量の熱帯材を消費しており、その責任は大きいといえます。

 森林とそこに棲む動・植物は地球全体の環境に大きな影響を与えるものであり、生物多様性の重要性と、その持続的利用の方向を著者は示し、警鐘を鳴らしています。なお、著者は大阪で開かれた「花と緑の博覧会」を記念して創設された「コスモス国際賞」の第1回の受賞者でもあり、本書はその受賞を記念して出版されました。


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