外来研究員紹介

 環境科学研究所には、現在外国人研究員が2名います。科学技術庁(S.T.A)の援助を受けて、今年の7月から1年間の予定で中国から来日した、環境生化学研究室のウェンジュン・ディング博士(Wenjun Ding,Ph.D.)と、同じく3ヶ月の予定でインドから来日した、環境計画学研究室のアマル・カー博士(Amal Kar,Ph.D.)です。
 この2名に、今回の来日の研究目的、日本の印象等について話してもらいました。

環境生化学研究室 ウェンジュン・ディング博士

Q.中国ではどのような研究をしていますか。
A.北京の中国科学院高エネルギー物理研究所に所属し、微量元素クロムと糖尿病に関する研究をしています。この研究で今年の3月に博士号を取得しました。

Q.当研究所ではどのような研究をするのですか。
A.富士山の湧水に多く含まれる微量元素バナジウムの生体影響(特に糖尿病との関係)を研究します。バナジウムの引き起こす科学反応、培養細胞に対する影響、実験動物に対する影響、人の毛髪や血液中のバナジウム濃度測定法開発など様々な研究を計画しています。

Q.日本や、研究所の印象はいかがですか。
A.日本の象徴である美しい富士山を1年中眺めることのできる富士山麓の自然環境や、研究所の研究環境のすばらしさが気に入っています。さらに研究所の人々がFriendryでHelpfulであることに感謝しています。研究所の納涼会では、多くの所員と話すことが出来て忘れがたい思い出が出来ました。(カラオケにも早速行って、「北国の春」を熱唱しました。(瀬子談))研究に精力を注ぐことは勿論ですが、時間を作って日本語を勉強し、日本の文化、芸術、伝統等についても理解を深めたいと思っています。


環境生化学研究室 ウェンジュン・ディング博士
ウェンジュン・ディング博士

環境計画学研究室 アマル・カー博士

Q. インドではどのような研究をしていますか?
A インド北西部タール砂漠入口の街Jodhpur にあるインド乾燥地研究所で、25年間砂漠化および天然資源アセスメントの問題に取り組んでいます。解析には、リモートセンシングおよびGISを活用しています。

Q. 当研究所では、どのような研究をするのですか?
A. 地域環境政策研究部の研究の一環として、衛星リモートセンシングとGISを応用し、山梨県の地形特徴、様々な環境の理解、そしてその経時変化を見い出すことを目指しています。

Q. 来日のきっかけは?
A.地域環境政策研究部の宮崎部長と私は、リモートセンシングによるインドにおける砂漠化理解に関する日印共同研究プロジェクトで、数年にわたって共同研究を行なっていました。リモートセンシング、GIS、環境といった共通の関心があり、そして私がこの分野の高度な技術習得に熱意を持っていたので、宮崎部長からSTAフェローとして招聘していただけたのだと思います。

Q. 日本の印象は?
A. 先進工業国のひとつ、とりわけ国民が仕事熱心で、自己鍛錬の精神に富んでいると感じます。日本の科学技術分野での発展は世界中で有名で、来日して新しい技術を手にすることは、多くの研究者の夢でしょう。私にとってこれは2度目の来日ですが、県環境科学研究所での研究の日々をエンジョイしています。

 
環境計画学研究室 アマル・カー博士
アマル・カー博士

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