植物生態学研究室の紹介

植物生態学研究室は、2つの大きな目標を設定し調査研究を行っています。

  1. 山梨県の自然を植物の分布や生態をもとに評価すること
  2. 現在問題となっている二酸化炭素濃度の増加とそれに伴う地球温暖化の観点から、植物の生育環境の変化が植物の分布や生態にどのような影響を及ぼすかを予想し、明らかにしていくこと

これらの目標の解明のため、ふたつのレベルから研究を行っています。植物の分布や生態を明らかにする一方、ミクロな視点からは環境に対して植物が生理面、形態面、生態面でどのように反応するかについて研究を行っています。一方、マクロな視点からは、植生の遷移についての研究や生態系の炭素収支を明らかにするため、植物が固定する二酸化炭素量や土壌から放出される土壌呼吸量の解明を中心に環境と生態系とのかかわり合いを明らかにするような研究を行っています。

主な調査地

現在、研究所がある富士山を中心に、山梨県はもちろん、小笠原や乗鞍岳などでも研究を進めています。主なフィールドは、富士山五合目、青木ヶ原、剣丸尾などです(主要調査地へ)。

共同研究・研修生

独立行政法人森林総合研究所等からいくつかの受託研究を受けており、筑波大学、都留文科大学、岐阜大学、茨城大学、東邦大学、首都大学東京、北里大学、静岡大学、独立行政法人森林総合研究所等といくつかの共同研究を行っています。

さらに、いくつかの大学から研修生として学部生・大学院生を受け入れています。これまでにのべ100名以上の研修生を受け入れ、各大学院で3名が博士号を、20名以上が修士号を得ました。また、共同研究者1名が富士山の植物の研究で博士号を得ました。

植物生態学研究室では、富士山で共に仕事をする共同研究者を募集しています。

主な施設

林冠アクセス用タワー(アカマツ林(2mx4mx高さ20m)、青木ヶ原(6mx9mx高さ20m))、安定同位体質量分析装置、ICP質量分析装置、携帯型光合成蒸散測定装置(Li6400)、ファイトトロン3台、温室、圃場、クロロフィル蛍光測定装置、連続式土壌呼吸測定装置、蛍光X線分析装置、NC測定装置・・・等