実施報告
第19回山梨環境科学講座
講座テーマ火山としての富士山

2006.05.20 13:15〜16:00 山梨県環境科学研究所 1Fホール
「富士山と青木ヶ原溶岩」 高橋 正樹氏〔日本大学 文理学部 地球システム科学科 教授〕
富士山と宝永の噴火」 小山 眞人氏〔静岡大学 教育学部 総合科学教室 教授〕

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講座の流れ
13:15〜13:25 ガイダンス  (1)本日の予定  (2)講師紹介
13:25〜14:15 講演T「富士山と青木ヶ原溶岩」 高橋 氏
14:15〜14:30 休憩

14:30〜15:20 講演U「富士山と宝永の噴火」 小山 氏
15:20〜15:40 質疑応答
15:40〜16:00 ディスカッション(まとめ) 座長 荒牧 所長 高橋 氏 小山 氏

講演の内容

講演1「富士山と青木ヶ原溶岩」(高橋)

    @ 青木ヶ原はいつできたか?

    A せの海を埋めた下り山溶岩と石塚溶岩

    B 新たな割れ目火口からの噴火

    C 大規模な長尾山溶岩

    D 最大規模の玄武岩溶岩

    E パホイホイ溶岩とアア溶岩 玄武岩溶岩の表面形態

     パホイホイ溶岩とアア溶岩の違い

            ・パホイホイ溶岩表面の縄状構造

            ・パホイホイ溶岩のトウ(つま先)

            ・パホイホイ溶岩表面に発達したテュムラス

     ・パホイホイ溶岩に形成された溶岩チューブ(トンネル)

     ・スラブ状パホイホイ溶岩

     ・ペースト状パホイホイ溶岩

     ・カリフラワー・アア溶岩

     ・ラブリー・アア溶岩


講演2「富士山と宝永の噴火」(小山)

      @ 絵図からわかる噴火の実態

      A 日ごとにたどる宝永噴火の前兆と推移

    B  江戸での記録

     ・「新井白石日記」「折たく柴の記」

     ・「伊藤志摩守日記」

    C その他での記録

     ・「佐倉」「下伊那」「名古屋」「伊勢」

     ・「忍野内野・山中平野」

      D 宝永噴火の噴出率

      E 富士山異常事件年表

     F 富士山噴火と関東・東海地震との関係は?

 

受講者の感想等(アンケートより抜粋)

【高橋先生の講義について】
・資料として紹介された溶岩の映像にはどれも驚かされました。また、富士山周辺においては樹海にしても実際にフィールドを歩いてみると、もしかしたら新しい火口が見つかる可能性もあるのではないかと思いました。
・大変解りやすく説明され、大いに参考になりました。特に青木ヶ原溶岩流については身近な場所なので今迄の資料に追加するものが何箇所かあり、詳しく知ることができよかった。

【小山先生の講義について】
・宝永噴火が発生した時、色々な場所での状況がよくわかりおもしろかったです。
・宝永の噴火の中で、残された書物の紹介の中で人々の様子が詳しく書かれている事がわかりました。テキストで復習をしたいと思います。また、富士山の噴火について勉強したいと思う意欲がでてきました。ありがとうございました。

【講義全体を通して】
・大変興味深くきくことが出来ました。火山としての富士山の魅力が一層増しました。
・高橋先生の地質学的な話と、小山先生の歴史的な話が対照的で、大変楽しく講義を聞くことができました。
・富士火山の特徴的事例である青木ヶ原‐貞観‐溶岩流、宝永山‐宝永‐降灰の各々の状況が良く理解できました。また富士火山噴火は地元居住者にとって生活のリスク要素としては非常に小さく、反対に生活での享受の方が大きいことがわかっました。大変楽しい講演でした。
・初めて環境科学講座を受講しました。大変勉強になりました。今後もこの様な会に積極的に参加したいと思います。施設の訪問も初めてでした。
・別荘に住んでいてハザードマップを見て大変心配していましたが、先生方のお話を伺い安心しました。明日にも起きそうな噂が広まっていましたので。