実施報告

第23回山梨環境科学講座
 講座テーマ

「地球温暖化と夏の健康」


  2010.05.29 13:15
〜16:30 山梨県環境科学研究所 1Fホール

講義 

 「地球環境の変化と健康」

  永井 正則 〔本研究所 副所長〕


 「夏の健康問題と緑のカーテンによる生活環境改善の取り組み

   宇野 忠  〔本研究所 環境健康研究部 生気象学研究室 研究員〕

 

 「快適な地域環境の形成を目指して」 

   中田 裕久 〔山梨総合研究所 研究調査部長 〕

 

参加者数68名

 


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講座の流れ


13:10〜13:15 ガイダンス

13:15〜14:10 「地球環境の変化と夏の健康」  永井

14:10〜15:05 「夏の健康問題と緑のカーテンによる生活環境改善の取り組み」  宇野 氏

15:05〜15:15 休憩

15:15〜16:20 「快適な地球環境の形成を目指して 中田 氏

16:20〜16:30 総合討論

内容

 永井正則当研究所副所長により「地球環境の変化と健康」をテーマに、地球の寒暖リズム、熱中症発生のメカニズム、熱中症の予防、睡眠の質の向上のために、ストレス負荷時の睡眠に及ぼすラベンダーの効果などが講演された。
  続いて、宇野忠当研究所研究員により「夏の健康問題と緑のカーテンによる生活環境改善の取り組み」をテーマに、夏季の山梨県内の気候と温暖化のデータをもとに熱中症の症状、大量の発汗による脱水症状、慢性的な脱水状態熱中症予防のキーワードは何か、緑のカーテンの実践報告や緑のカーテンを作るための方法について講演された。
最後に、山梨総合研究所中田裕久研究調査部長により「快適な地域環境の形成を目指して」をテーマに、社会的潮流として低炭素社会へのシフトCO2の削減目標やCO2削減のための様々な方策として、オーストリアの観光施設を取り上げ、地域環境管理システムやESCO事業、エコプロフィット、エコラベル、再生可能エネルギーの導入、観光地域におけるソフト移動の推進について講演された。最後に持続可能な観光地づくりとして、ウェルネスツーリズムの展開、アルペンウェルネスリゾート、観光関連人材の養成、エネツアーなどを取り上げ講演された。
  講演のあと総合討論として、CO2を削減するために一人一人ができる日常の活動(買い物袋からエコバッグへの移行、車社会からの脱却)と国や自治体への働きかけによる地球環境の保護などが出された。また、快適な睡眠をとるためにラベンダーの有効利用やその代替になる物があるかなどが話し合われた。また、緑のカーテンとすだれの違いやその他の方法はないかが話し合われた。

 

受講者の感想等(アンケートより抜粋)

・メカニズムなど詳しく説明していただきこれから起きやすい熱中症防止に役立つと思います。環境実践などいろいろみられてよかったですが、こんなに興味関心を持っているので、身近なところでこんな実践をしているなど自分たちも参加していけるようなコース選びができ、実践できるとよいと思いました。
・観光地でのエコ活動のお話は興味深かったです。富士山の周りでも広げられると良いと思い楽しみです。
・地球温暖化に向かっていく現代。身近なところからヨーロッパの環境事情まで、わかりやすく解説していただいて良かった。山梨県の観光、地域の快適な環境の中で、県が先頭に立って進めてもらいたい。私は、自分の周りから始めます
・地球規模、地域規模の変化が理解できましたので、まず、できることから1歩でも進もうと思います。
・とても興味のあるテーマばかりでありがたかったです。今年は、ちょうど緑のカーテンを作るために作業を始めて所でした。普段からエコや自然農法、バイオマスに気をつけるつもりです。これからもいろいろな情報を下さい。
・地球温暖化が世界中であるいは、日本でいかに進んでいるか、また、それは人々の生活、健康にいかに影響を及ぼすか、そして身近な私たちの生活で対応できることかを具体的に教えていただきありがとうございました。
・これから暑い夏を迎える前に、熱中症の学習をしたことは、老人に対しての水分補給の大切さ、畑作業での昼間の熱中症の発生する時間帯をさけるなど、自分を守ることの必要性がよく理解でき、大変参考になりました。
・ストレス負荷時の睡眠に及ぼすラベンダーの効果は非常に興味のある内容でした。
・オーディエンスがわかっているという前提で話しをしているが、知らなくてもわかるようにして欲しい。不要な部分を削り、専門用語を使わないようにしていただければ、もっとわかりやすかったと思います。
・観光開発と環境の関係についての研究があれば、お話を聞いてみたいです。
・冬の気候が厳しい地域ですので「冬の環境と健康」などのテーマも今後あるとよいかと思います。