■ 出張講義メニュー 一覧 (2023年4月現在)
Ⅰ. 自然環境の分野
- 1. 「外来種の影響と防除活動」
- 2. 「富士山の植生の成り立ち」
- 3. 「データサイエンス入門」
- 4. 「宇宙から見る富士山」
- 5. 「衛星画像から見る森林の変化」
- 6. 「富士山の植物、その特徴と生態」
- 7. 「富士山に生息する鳥類とその生態」
- 8. 「富士山のニホンジカの行動・生態」
Ⅱ. 環境共生の分野
- 9. 「富士山周辺の地下水に含まれるバナジウムと健康」
- 10. 「山梨県の水道水と健康」
- 11. 「富士登山での転倒発生の実態と関連する要因」
- 12. 「気象環境が健康に与える影響」
- 13. 「保護と保全」
- 14. 「景観の保全と住民参加」
- 15. 「ビオトープの考え方」
- 16. 「タイムラインで考える災害と支援」
- 17. 「景観と開発・保全」
- 18. 「富士山の信仰とこの地域の産業」
- 19. 「人間のライフスタイルと身近な自然環境」
- 20. 「SDGs(持続可能な開発目標)について考える」
Ⅲ. 火山・火山防災の分野
- 21. 「噴火現象を知る」 ※火山現象に関する知識について事前・事後の調査をさせていただきます
- 22. 「火山アナログ実験」
- 23. 「噴火の被害と対策」 ※火山現象に関する知識について事前・事後の調査をさせていただきます
- 24. 「様々な自然災害への備えと対応について」 ※県内在住、在勤、在学の方・団体に限らせていただきます
- 25. 「富士山の成り立ち」
- 26. 「火山の内部を探る物理探査・測地観測」
- 27. 「山梨の火山と湧水・地下水」
- 28. 「富士五湖の成り立ちと水の起源」
■ 出張講義メニュー 詳細 (2024年4月現在)
Ⅰ.自然環境の分野
1. 「外来種の影響と防除活動」 | |
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講演者 | 安田 泰輔 |
キャッチフレーズ | 外来植物が自然環境に及ぼす影響と防除方法の事例紹介 |
概要 | 富士山周辺にも外来植物は侵入しています。外来植物の中には人間生活や農林水産業に大きな影響を及ぼす種いることから、適切な管理や駆除活動が求められます。外来植物の基礎知識と防除活動の事例を紹介し、外来植物に対する考え方や駆除方法について解説します。 |
2. 「富士山の植生の成り立ち」 | |
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講演者 | 安田 泰輔 |
キャッチフレーズ | 富士山の亜高山帯や高山帯の主要な植物を紹介します |
概要 | 富士山の標高2300-2400m付近では、雪崩によって森林が破壊される一方で、新しい森林が形成されていく過程も観察できる貴重な場所です。本講義では富士山の植生の成り立ちや植物種の生態などを解説します。 |
3. 「データサイエンス入門」 | |
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講演者 | 安田 泰輔 |
キャッチフレーズ | データ解析ってなにをするの? |
概要 | 自然科学では現象を測定し、得られたデータの解析を通じて、知識を増やしていきます。近年、データサイエンスという言葉が出てきたように、データを取得することやデータを解析することの重要性が増しています。本講義では、富士山の自然環境のデータを例に、衛星画像やドローンなどの観測方法、データ解析に関する基本的な考え方、解析方法について解説します。内容は要望に応じて調整します。 |
4. 「宇宙から見る富士山」 | |
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講演者 | 杉田 幹夫 |
キャッチフレーズ | 富士山周辺の環境は宇宙からどのように見えるのか? |
概要 | 私たちの身のまわりの環境は、少しずつ変化しています。地球を周回する人工衛星から、富士山周辺の広い範囲を定期的に観測することができます。遠い空から見ると富士山周辺の姿はどのように見えて、どのように変わってきたのでしょうか。1970年代から現在まで、人工衛星で観測されたデータを画像化して読み解きます。 |
5. 「衛星画像から見る森林の変化」 | |
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講演者 | 杉田 幹夫 |
キャッチフレーズ | 人工衛星で森林の変化を正確に調べられるのか? |
概要 | 森林は、私たち人間にさまざまな恵みをもたらします。かけがえのない森林の状況やその変化を定量的にとらえるのに、リモートセンシングは有効な技術です。近年、人工衛星の観測データを用いて、10数年間の森林分布の変化が地球規模で把握されるようになりました。富士山周辺のデータから、森林の推移を検証してみましょう。 |
6. 「富士山の植物、その特徴と生態」 | |
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講演者 | 中野 隆志 |
キャッチフレーズ | 富士山の植物の特徴とは? |
概要 | 富士山の地史や地形は他の山岳に比べて特異で、そこに生きる植物も特性に富んでいます。こうした環境の特異性に結びついた植生の分布や、そこに生育する植物の生態について解説します。また、植物が富士山の環境にどのように適応し、生活しているかについて紹介します。 |
7. 「富士山に生息する鳥類とその生態」 | |
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講演者 | 水村 春香 |
キャッチフレーズ | 富士山にはどんな鳥がいる? |
概要 | 富士山には森林のみならず、草原も広く残されており多様な鳥類が生息しています。どのような環境にどのような鳥がいるのかを紹介するほか、私たちの生活と深くかかわっている里山や草原に棲む鳥類の生態について解説します。野鳥観察の方法など、屋外実習も可能です。 |
8. 「富士山のニホンジカの行動・生態」 | |
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講演者 | 中村 圭太 |
キャッチフレーズ | 身近な野生動物〜ニホンジカの暮らし〜 |
概要 | 富士山にはたくさんの野生動物が生息しています。その中でも、私たち人間にとって身近なニホンジカの暮らしについて紹介します。ニホンジカは何を食べてるの?どこに住んでいるの?寿命はどのくらい?なんで増えているの?なんで雄には角があるの?・・などの疑問に富士山での調査結果を交えてお答えします。 |
Ⅱ.環境共生の分野
9. 「富士山周辺の地下水に含まれるバナジウムと健康」 | |
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講演者 | 長谷川 達也 |
キャッチフレーズ | バナジウムって身体にいいの? |
概要 | 富士山周辺の地下水や、この地域の市町村の水道水にはバナジウムが含まれています。バナジウムとは一体、何なのでしょうか。実験データを示しながら、バナジウムと私たち、健康との関連性について考えます。 ※受講者が30人以下で講義時間が90分以上ある場合は、「利き水」や「パックテストによる水質検査」体験も可能です。 |
10. 「山梨県の水道水と健康」 | |
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講演者 | 長谷川 達也 |
キャッチフレーズ | おいしい水の秘密とは? |
概要 | 山梨県の水道水は、他の市町村の水と比べてどんな特徴があるのでしょうか?その特徴を紹介し、水に含まれるミネラルの役割から、水と健康の関連性について解説します。 ※受講者が30人以下で講義時間が90分以上ある場合は、「利き水」や「パックテストによる水質検査」体験も可能です。 |
11. 「富士登山での転倒発生の実態と関連する要因」 | |
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講演者 | 宇野 忠 |
キャッチフレーズ | 富士登山の転倒リスクを軽減するには |
概要 | 登山では、悪天候や高山病、道迷いなどから遭難やケガが生じるリスクがともないます。その中で転倒は、滑落や脚部のケガによる行動不能を招くなど大きな問題につながる発端となりえます。富士登山者を対象に行ったアンケート調査から得た転倒実態と関連している要因から登山での転倒のリスクの軽減について考えてみましょう。 |
12. 「気象環境が健康に与える影響」 | |
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講演者 | 宇野 忠 |
キャッチフレーズ | 暑さ寒さとの上手な付き合い方は? |
概要 | 山梨県は内陸部に位置し、富士山をはじめとする山々に囲まれていることから、寒暖差が激しい気候上の特徴があります。富士登山や日々の暮らしの中で、刻々と変化する気象環境が身体へ影響を与え、熱中症、高山病、低体温症などの健康問題を引き起こします。気象環境によって起こる健康問題のしくみを紹介し、上手な付き合い方を考えます。 |
13. 「保護と保全」 | |
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講演者 | 池口 仁 |
キャッチフレーズ | 「自然保護」と「自然環境の保全」の違いがわかりますか? |
概要 | 動物愛護、自然保護、自然環境の保全、世界遺産の保存管理、使われている字が似ていて、意味が違う言葉があります。それぞれの考え方が成立してきた歴史的背景から、それぞれの言葉によって人々の求めたものを解説し、保護、保全、保存管理などの目的と手法の違いを説明します。 |
14. 「景観の保全と住民参加」 | |
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講演者 | 池口 仁 |
キャッチフレーズ | 景観管理団体の果たす役割 |
概要 | 景観法の制定により、地方自治体が景観管理の主体となり、さまざまな法や制度の絡み合う景観管理の仕事の中で、中心的な役割を果たすようになってきました。なぜ住民の参加を求めるのか、どのような事をとりきめ、どんな仕事をしているのかを事例にもとづいて解説します。 |
15. 「ビオトープの考え方」 | |
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講演者 | 池口 仁 |
キャッチフレーズ | 生き物から考える空間 |
概要 | 生物の営みは生物の環境と深く結びついたものです。生き物と環境のセットを「空間として」考えるときに、その空間を生き物の場、ビオトープと呼びます。なぜビオトープの考え方が生まれたのか、ビオトープの管理とはどんな目標をたてて、どんな事をするのか解説します。 |
16. 「タイムラインで考える災害と支援」 | |
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講演者 | 池口 仁 |
キャッチフレーズ | 被害をすくなくするために私たちにできること |
概要 | 大災害は被害にあった人の力だけでは、対応しきれないものです。災害から立ち直るには、被害に打ちひしがれた人の数より多くの人が支援していく必要があります。災害が起きた時を起点に、何が、どんな風に進行しているかを考える事で、被害の外にある人に何ができるかを考えます。 |
17.「景観と開発・保全」 | |
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講演者 | 池口 仁 |
キャッチフレーズ | よい景観に進む富士山 |
概要 | 富士山周辺は人が手を加えている場所が多くあります。世界遺産を監督する国連(UNESCO)の世界遺産委員会や専門機関である国際記念物遺跡会議では、開発により富士山の美しさが損なわれることを心配しています。世界文化遺産富士山ではどのような仕組みで富士山の景観を守ろう・よくしようとしているのかを解説します。 |
18. 「富士山の信仰とこの地域の産業」 | |
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講演者 | 小笠原 輝 |
キャッチフレーズ | 世界文化遺産「富士山」の信仰とはどういうものか? |
概要 | 世界文化遺産「富士山」の信仰とはどういうものか、富士山を取り巻く神社や富士講、信仰登山の歴史などから理解を広げます。また、この地域で暮らしてきた人々、特に富士吉田市を中心とした地元の産業について富士山の信仰と絡めてお話しします。 |
19. 「人間のライフスタイルと身近な自然環境」 | |
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講演者 | 小笠原 輝 |
キャッチフレーズ | 私たちの暮らしはどう変わり、身近な自然とどう関わってきたのか? |
概要 | これまで人間は、身近な自然環境とどう関わって生きてきたのでしょうか。人類の誕生、定住と農耕牧畜、産業革命、エネルギー問題、経済のグローバル化など、歴史を振り返りながら、私たちにとって身近な自然環境である「里地・里山」とどう付き合ってきたのか、現在、どのような課題を抱えているのかを考えます。 |
20. 「SDGs(持続可能な開発目標)について考える」 | |
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講演者 | 池口 仁 |
キャッチフレーズ | 2030年までに世界は、あなたはどうなっているのだろう? |
概要 | 2030年までに、国連加盟国が全会一致で広く17の分野にわたって設定した「今よりもっと世界を良くするための目標」があります。目標を達成するために3つの共通指針が掲げられました。どんな目標があり、どう実現していくのか、取り組みを紹介しながら理解を深めます。そして、目標を達成するために、私たちが今できることは何かを考えます。 |
Ⅲ.火山・火山防災の分野
21. 「噴火現象を知る」 ※火山現象に関する知識について事前・事後の調査をさせていただきます | |
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講演者 | 吉本充宏、石峯康浩、本多亮、山本真也、久保智弘、亀谷伸子、西澤達治、山河和也、佐藤明夫、池谷拓馬、渡部将太、秋葉祐里 |
キャッチフレーズ | 火山噴火ってどんなことが起きるの? |
概要 | 日本にはさまざまな火山が存在し、多くの人々が火山の麓に住んでいます。これらの火山で起こったさまざまな噴火とそのしくみを理解することが、防災・減災へつながります。噴火による災害からいかに身を守り、どのようにして火山と共に生きていくのか。講義を通して考えます。 |
22. 「火山アナログ実験」 | |
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講演者 | 吉本充宏、石峯康浩、本多亮、山本真也、久保智弘、亀谷伸子、西澤達治、山河和也、佐藤明夫、池谷拓馬、渡部将太、秋葉祐里 |
キャッチフレーズ | 身近なものを使って噴火現象を理解しよう! |
概要 | 家庭にある身近な食材や道具を用いて、火山の溶岩流や泥流、火砕流、火山灰を降らせる噴火などを再現します。実験を通して、どのように噴火現象が起こり、どのように私たちの生活に影響するのかを考えます。実験のノウハウから背景にある噴火現象の物理まで、分かりやすくお伝えします。
※実験を行う都合上、少人数かつ他と比べてやや長時間のプログラムとなります |
23. 「噴火の被害と対策」 ※火山現象に関する知識について事前・事後の調査をさせていただきます | |
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講演者 | 吉本充宏、石峯康浩、本多亮、山本真也、久保智弘、亀谷伸子、西澤達治、山河和也、佐藤明夫、池谷拓馬 |
キャッチフレーズ | ハザードマップを上手に活用しよう! |
概要 | 噴火現象はどのように広がり、私たちはどのように避難すれば良いのでしょうか。火山ハザードマップの情報の読み取り方や火山現象からの避難の仕方を学びます。もちろん、避難の必要がないケースもあります。我々の生活を維持しながら火山災害と向き合う場合についても考えてみましょう。 |
24. 「様々な自然災害への備えと対応について」 ※県内在住、在勤、在学の方・団体に限らせていただきます | |
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講演者 | 久保智弘、本多亮、吉本充宏、石峯康弘 |
キャッチフレーズ | 地震や火山、風水害などからどのように身を守るか? |
概要 | 地震や火山、風水害などの自然災害が発生した場合、行政や自主防災組織、企業などでどのような対応を行えばよいか、また事前にどういった備えや訓練が必要かなど、これまでの研究成果などを活用して講義を行います。 |
25. 「富士山の成り立ち」 | |
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講演者 | 吉本充宏、亀谷伸子、西澤達治、渡部将太 |
キャッチフレーズ | 日本一高い富士山はどのようにしてできた? |
概要 | 火山ができていく過程、すなわち過去の火山活動の履歴はどのように調べたらよいでしょうか。富士山科学研究所でも取り組んでいる調査研究の方法について詳しく紹介します。そしてその結果詳細にわかってきた「富士山のがどのようにしてできたか」を解説します。 |
26. 「地球物理観測から迫る富士山の今」 | |
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講演者 | 本多亮、久保智弘、山河和也、池谷拓馬 |
キャッチフレーズ | 富士山って本当に噴火するの? |
概要 | 火山の活動状況を把握するために内部を知る、地下に埋もれている貴重な資源を探すなど、地下の様子を知りたいケースは多々あります。講義では、実際に富士山で行われている探査や観測とその方法・工夫についてできるだけわかりやすく原理を解説しつつ、そこからわかる現在の富士山についてお伝えします。 |
27. 「富士山の地下水・湧水」 | |
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講演者 | 山本真也 |
キャッチフレーズ | 富士山の水の秘密に迫る |
概要 | 富士山は、日量480万トンの地下水が麓から湧き出す水の山としても知られています。豊富な地下水はいったいどこから来るのでしょうか? 講義では年間22億トンともいわれる降水が、地下水・湧水となり麓から湧き出すメカニズムを解説し、富士山の水の秘密に迫ります。 |
28. 「富士五湖の成り立ちと水の起源」 | |
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講演者 | 山本真也 |
キャッチフレーズ | 富士五湖はなぜそこにあるのか? |
概要 | 富士五湖は、富士山の度重なる噴火によりその姿を大きく変化させてきました。これらの湖はどのようにして形成されたのか? 富士五湖に蓄えられている水は一体どこから運ばれて来るのか? 富士五湖の形成の歴史と湖水の起源について、最新の科学的知見を交えながら解説し、その正体に迫ります。 |