環境情報センター |
スキバホウジャク | ホシホウジャク |
研究員からの一言 生き物の世界を覗いてみると、全く違った場所なのに、同じような環境条件の下で、体の形や生態の非常によく似た生き物が見られることがあります。アフリカのダチョウ、オーストラリアのエミュー、アメリカのアメリカダチョウなどがこの良い例でしょう。このような現象はときに、全く違った生物間でも見られ、難しい言葉になりますが収斂(しゅうれん)進化と呼ばれています。 御質問のようにスズメガ科のスカシバやホウジャクは、北米原産のハチドリと大変良く似ていますが、前者が昆虫で後者が鳥類であるにも関わらず、これも収斂進化の一例と思われます。たまたまハチドリのような鳥が日本にはいなかったために、生態系のその位置に換わって蛾(昆虫)が進化してきたものと考えられます。 このように収斂進化の面白いところは、系統的には全く違う種群の間でも、生態系内の同じような位置を占めるために、体の形や生活様式が大変よく似てくるような進化が生じる事にあります。自然界は本当に不思議であり、よくできているなーと感心させられます。 (動物生態学研究室:北原正彦) |