環境教育事業
富士山・火山写真展 
割れ目火口列
割れ目噴火,溶岩噴泉の跡.ここで起きた溶岩噴泉の高さはおそらく100〜200mである.噴火初期の段階では一列に並んで噴火する様子から,英語では“Curtain of fire”(火のカーテン)と表現される.火のカーテンは長続きせず,やがて数百m(あるいは数q)つながる火のカーテンは部分的に切れ始め,点線のようになる.この穴は最後まで噴火していた点(火口)である.
撮影場所:御庭
提供者:教育スタッフ
 
スパター・ランパート
火口周辺には餅のように柔らかい状態の溶岩がくっついてできた塀のようなものがある.これは噴火の際,噴き出した溶岩が空中で引きちぎれ,直径20〜30cmくらいのしぶきとなり,ベタベタとくっついたものである.これらのしぶきは積み重なるとき扁平(レンズ状)になるが,5m,10mと続いて溜まると,下の方は上の方の重さで押されるので溶結を起こしてしまう.(より強力にくっついてしまう.)この地形をスパター・ランパートという.
撮影場所:御庭
提供者:教育スタッフ
 
富士山北西側の側火山(1)
富士山南東-北西のゾーン(帯)は,噴火が集中しているところである.御庭の噴火口列や宝永火口もこのゾーン上にある.上の写真は北西側の側火山を御庭から,下の写真は山頂から撮影したものである.左奥に最大の大室山,その手前に片蓋山,そこから右に弓射塚,そのやや右奥に長尾山,さらに右の方に天神山が見られる.山頂からは奥庭の左上あたりに幸助山の姿も確認できる.
撮影場所:御庭(上)・山頂(下)
提供者:佐藤永史郎
 
富士山北西側の側火山(2)
ここ(撮影地)から,天気が良ければ大室山〜奥庭まで,はっきりと確認することができる.大室山は最も大きい富士山側火山で,標高1,468m,山頂には直径約50m,深さ約22mの火口がある.今からおよそ3,000年前に噴火したと考えられている.864年には大室山の東に位置する長尾山一帯から溶岩が流出し,青木ヶ原を形成したが(貞観噴火),溶岩流は大室山を避けて流れたため,大室山では青木ヶ原樹海とは異なった植生を観察することができる.植生が違うのは地質の差を反映している.(下図カシミール3D使用)
撮影場所:道の駅なるさわ
提供者:佐藤永史郎
 
湖に流入する青木ヶ原溶岩流
864年の長尾山付近から噴出した溶岩流が,せの海を埋め,西湖と精進湖に分断した.『日本三代実録』にはこのときの様子が「・・・土鑠石(どしゃくせき)流れ、八代郡の本栖、并(なら)びにせの両水海を埋づむ。水熱して湯の如し。・・・」と記されている.
撮影場所:西湖付近
提供者:佐藤永史郎
 
縄状溶岩【青木ヶ原溶岩流】
西湖蝙蝠穴は溶岩トンネルと呼ばれるもので,相当の厚さを持つ溶岩流の表面が固化し,内部はまだ流動性を保っている状態で,その流動部分が下方へ抜けて,トンネル状の空洞となった.床面はかなり平坦だが,これはトンネル内部を新しい溶岩が流れ,冷えて固まり,そのまま残っているためである.縄状の模様からは流動方向が分かる.縄状溶岩はトンネル内部だけでなく,野鳥の森公園へ向かう散策道でも見られる.
撮影場所:西湖蝙蝠穴
提供者:教育スタッフ
 
持ち上がった溶岩【青木ヶ原溶岩】
蝙蝠穴の近くで見られる特異な溶岩である.溶岩が流れてきて冷えて固まり,その後何らかの二次的な力が加わり,このように持ち上がったのではないかと考えられる.
撮影場所:西湖蝙蝠穴周辺
提供者:教育スタッフ
 
大沢崩れ(夏・山頂から)
2002年の夏に撮影した写真である.<上の写真>ここでは絶えず崩落が発生しているため,なかなか植物が根付かないのがよく分かる.<下の写真>山頂付近から撮影した写真である.巨大なV字型の浸食谷を形成している.幾多の溶岩流が冷え固まり,積み重なった縞模様も確認できる.
撮影場所:富士宮市(上)・山頂(下)
提供者:佐藤永史郎
  
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